ゆるやかに

高校生で、今オーストリアで留学をしています。好きなこと、生活のことを少しだけ話します。

ハプスブルグ家にハマってオーストリアで高校留学をする人

ほぼ完成していた下書きを全消ししてしまうという不運に見舞われ、投稿が遅れてしまいました。

今回はなぜ高校生でオーストリア交換留学をしているのか、の答えを書いていきます。

 

実は私は小さい頃に2年間、父の大学院の関係でアメリカに住んでいました。

現地の幼稚園と小学校に1年ずつ通っていました。一昨日見た夢、みたいなぼんやりした記憶しかありませんが、当時の写真を見返すと楽しかった思い出がほんの少しだけ蘇ってきます。

思い出せることは少ないけど海外に住んでいて楽しかった、みたいな気持ちは強くあって、小6ぐらいから既に留学を意識し始めました。

中学生になり、高校留学という選択肢に出会い、色んな高校生の留学ブログを読み漁り、海外にいる自分を想像してワクワクする...みたいな遊びをやってました。

いやでも高校生で交換留学って激エモじゃないですか、1年間その土地に住んで、現地の人と同じように暮らして、家族のような存在や友達に出会い、第二の故郷になる。実際それが実現できるのかはさておき、コンセプトは優勝。観光客ではなく、本当にその土地で一人の人間として生きることができるって夢みたいだなって。

ここではない別の世界で生きてみたい、それを実現できるのが高校生の交換留学なんだと思います。そしてその別の世界はアメリカやカナダといったメジャーな英語圏じゃなくてもいい。多くの非営利の留学団体がヨーロッパやアジア、南米などへの派遣生も募集してます。あ、ヨダレ出てくる。

なので正直に言うと、実は最初メキシコに行きたかったんです。

本気で馬鹿なの?って思われるかもしれません。それでも私にはメキシコ行ったら世界変わるし絶対幸せになれる!と謎の自信がありました。タコライス好きだし。今考えると恐ろしいです。謎の自信。

しかし親の猛烈な反対と、新型コロナウイルス中南米の派遣が中止になり、あっけなくメキシコ行きの夢は破れ、。

それでも留学は絶対に行きたかったので、次はヨーロッパの中から選ぶことに。

なんとヨーロッパでもメジャーな国からマイナーな国まで幅広く派遣国を選べたので、だったらメジャーな国は選ぶのはなんか勿体無い!となぜかそこで貧乏思考になり、加えてその頃世界史の授業でやっていた「ハプスブルク家の繁栄と滅亡」にハマり、ならオーストリアだ!!と第一志望国をオーストリアにするのでした....

他にも理由はオーストリアは私がずっとやっている音楽!のイメージがある、ドイツ語話せるのかっこいい、昔テストでオーストラリアと間違えたのを根に持ち、なんとなく印象に残っている、中央ヨーロッパにあるからいろいろな国に行けそう...みたいなのがあります。

 

派遣国選びの時の私が未来の私へ後悔しないように正当な理由を書いたメモを残していました....ありがたいんですが割と自分が脳筋気味だったことに驚きを隠せないです。

英語圏は最初から考えていませんでした。過去のメモによると、「英語はいくらでも日本で勉強できるし、勉強する環境もツールも沢山溢れている。だからわざわざ留学行って勉強するよりも全く別の言語を一から学んだほうが楽しそう」だそうです。

 

 

ちなみに他の留学生との交流もあり、なんなら特にメキシコ人と仲良くさせてもらっています。

今まで会ったメキシコ人全員波長合うし、大好き。直接国には行けなかったけど、彼らを通してメキシコの文化や考え方を学び、自分のものにできてる気がしています。別の国で別の形で自分の夢が実現するなんて思ってもいませんでした。必ず行くから待ってろよメキシコ。

 

 

大学生でも留学は出来るし、私もまた大学生で留学するつもりですが、「高校生」というこの時期だからこそ見えるものは沢山あるんじゃないかと思ってます。自由度は高いとは言えないけど、守ってくれる大人がちゃんといるのはありがたいことです。

あと進路のこと、海外の大学に行くか、国内にするか、将来どんなことを学びたいか、何がしたいのかを自分で見つめられるいいチャンスになるかと。

私の場合、ヨーロッパの大学も選択肢にあって、とりあえず留学行って自分に合いそうだったら海外大チャレンジしてみよ!みたいなノリでいました。たくさん選択肢があり、それを自分自身で選べる環境があって、とっても恵まれているなとしみじみ思います。

 

以上、youは何しにオーストリアへ?にはこんな風に答えようかと思います。では。

 

ハルシュタット、本屋の奥のコーナー

クリスマスから三日後、ハルシュタットに行った。

 

ハルシュタットって言ったらどれぐらいの人がわかってくれるかな。世界一美しい湖畔の街、ハルシュタット

中学生の頃、友達と暇になったらよく地元の本屋さんの奥の写真集・画集コーナーの「世界の絶景百選」みたいな本を立ち読みして、将来ここなんか行きたいねーとかワクワクしながら何時間も話していた。ハルシュタットはその場所の一つでもあった。

 

 

愉快で大好きなメキシコ人からハルシュタットの旅に誘われて、思ったよりも早く将来の夢は叶った。

しかしメキシコ人と他のメンバーは同じオーストリアでも住んでいる場所が違うので、ハルシュタットで集合。私の家が一番ハルシュタットから離れていて、何と4時起床という野球部の朝練並みの早さで朝が来た。

 

それにしてもヨーロッパの早朝の駅は少し変だと思う。日本とは違う空気のビリビリ感。緊張感に包まれているというか、ぎりぎりバランスが保たれているような不思議な世紀末を感じる。言葉にするのが難しい。

とにかく、ウエハースを砕いで床に投げつける人、奇声を発する人、よくわからない雑誌を売りつける人、さまざまな人がいる。

私の場合、スーパーでレバーケーゼゼンメル(オーストリアの伝統的な軽食)を買い、待合室の椅子に座って食べていると、50代ぐらいの男性が沢山席は空いているのに、なぜか隣に座ってきた。

日本の母から電話があったのでかけ直し、日本語で話し始めると、何やら小声で話しかけてくる。するといきなりスマホを見せてくるので、覗きこむとそれはサンタコスをしたお姉さんが半裸になって胸を見せびらかしている写真だった。何それ?

あまりにもいきなりの出来事で耐えきれず吹き出してしまった。それでもこれは流石に変だと思い、すぐその場から立ち去った。もっと早く警戒して立ち去るべきだったと反省したが、ちょっと危険なハプニングがあるとワクワクする気持ちになる自分もいる。

 

このようなことが朝一番からあったせいで列車では一睡もできなかったが、車窓から見える景色はとても綺麗だった。

朝焼けの空と壮大な山々、山のてっぺんは雪が少し積もっていて、陽を受けた部分は淡いオレンジ色に染まっていた。

私は壮大な、デカすぎる自然を一人で見るのが好きだ。自然からすると車窓から山を見つめる私(17)はあまりにも小っぽけ。でもそんな私が山を一人で見ていると、美しさを全て独り占めしているような気持ちになるのだ。あの山々の美しさは私だけが知っている...みたいな。

宇多田ヒカルの曲を流して、山を見る。これがぜいたくな時間なんだと思う。

 

意外と列車の時間はあっという間で、乗り換えチャレンジが開始される。残り時間3分、バス停に辿り着けるか....現地の老婦の方に声をかけ、このバス停で合っているか確認、OKをいただき、無事チャレンジクリアと思い、やってきたバスに乗り込む。

 

しかしチャレンジは呆気なく失敗に終わった。運転手にこのバスではないと言われ、渋々降りるとその瞬間、私が乗るべきだったバスが出発。乗り間違えた。絶望しながら時刻表を見ると次のバスは2時間後だった。スマートフォンで調べても、全て2時間後。そして待ち合わせの時刻からは計3時間遅れになる。犬の散歩をしている老夫婦しかいないような田舎で、一人放り出されたようなそんな気分。

メキシコ人に電話すると、謝らないでー!待ってるから!早く会いたい!と軽くてハツラツな声が聞こえた。泣きそうだった。

脳死で待つこと2時間。ドキドキしながらバスに乗る。合っていた。

 

窓際の席に座り、出発を待っていると三人のアジア人の観光客が。聞こえる言葉から日本人ではないとわかったが、アジア人が近くにいると心のどこかが安心する。ハルシュタットまで3度バス乗り換えがあり、彼らとは2度目も一緒だったので目的地が同じだとを確信し声をかけた。

音大生で、同じく留学生のタイ人だった。その内の一人は日本語が流暢で、簡単な会話なら日本語で通じた。

これから会う友達のために日本のお菓子を持って行っていたので、少し渡してみる。すると喜んでくれ、お礼にタイのヌードルをいただいた。バスの中では留学生同士だから分かる苦悩やオーストリアの生活、好きな音楽のことを話した。目的地に着くと写真を一緒に撮り、また会おう。そう言ってハグをしてお別れをした。(後日インスタで連絡しあって、近いうちにまた会えるかもしれない!タイ料理作ってくれるかもワクワク)

 

旅は出会いがあるから楽しい。タイミングがチャンスをくれる時もあるが、新しい出会いを掴むためには少しの勇気とフレンドリーさが必要になる。今の私には出会いのある旅とない旅とでは意味が全然違ってくるな〜と思いつつ、チャンスを逃さないように楽しい人間でいようと決心したのであった。

 

それはそうとして、朝の始発のバスに乗ってからハルシュタットに着くまで7時間が経っていて、目の前には本に載っていたそのままの景色があった。

周りを見てみると7割がアジア人で、ハルシュタットはドイツ語ではない言語で溢れてかえっていた。

メキシコ人に電話をかける。教会の前でケバブを食べていた。

流石に3時間も待たせて申し訳ないと思い、教会まで全速力で走った。スマホを片手に持って写真撮影している観光客しかいないこの地で、謎にジョギングをしている夫婦を追いかけ、とにかく走る。

憧れだった景色がとても速いペースで目に入ってくる。なんでハルシュタットで走ってるんだろう、可笑しくて、心地よかった。

そして私はハルシュタットにいる。その事実だけでこの一週間、思い返してウキウキした気持ちになれた。

ようやくメキシコ人と他の友達に会い、ハグをし、百枚以上写真を撮り、町の隅から隅までを歩き、ベンチでホストファミリーのこと、学校のこと、友達のことを話す。レストランやカフェはあまりにも高く、そしてほとんどが予約をしないと入れなかった。

メキシコ人に「今幸せ?それが一番重要なことだよ」と目を見て聞かれた。

中学生の私が思っていたよりも夕方のハルシュタットはとても綺麗だった。おとぎ話に出てくる、美しくて可愛くて、手の届かない小さな世界、そのままだった。

なぜか泣きそうになりながら、幸せだよって答えた。

 

今思い返しても夢を見てたんじゃないかって思うぐらい、ハルシュタットはいまだに夢の場所である。夏になったらもう一度行こう。約束をした。

 

 

 

 

 

 

12月30日に

『オーストリア滞在記』|感想・レビュー・試し読み - 読書メーター

日本を代表する女優の中谷美紀さんがオーストリア暮らしを書いたこの本。とても丁寧で優雅なヨーロッパの田舎暮らしを想起させる本で、オーストリア渡航前の私は目を輝かせて読んでいたと思う。

今私が生きてる世界とは少し違うけど、それでも同じ世界には変わりはなくて、ここで読み返してみると、なんだか自信を持たせてくれる本でもあります。

 

 

私は日本人で17歳で高校生。ある留学団体を使って今年の9月から来年の7月までの交換留学プログラムに参加しています。

ホストファミリーに部屋を貸して頂いて、オーストリアの南にある小さな町(ど田舎)に住んでいます。しかし音楽留学でも何でもない交換留学なので、現地の公立高校に通い、ALLドイツ語、いやオーストリアドイツ語の現地の高校生に囲まれて、必死にもがいている最中です。もがいて、現在三ヶ月が経ちました。

なぜオーストリア?なぜドイツ語?なぜ高校生で留学?と疑問を湧かせる謎チョイスだと自分でも思いますが、この話はまた今度。

 

私は何ができるだろう、何か残せるものはあるのかなと考えた結果、ブログにたどり着きました。言語化することはあまり得意ではないけど、ブログや感想を読むのが好きな私ならなんとかできるはず。8割はいつかの自分のためで、2割は暇な誰かに向けて書くことにします。

 

12月30日に始めてみるという、遅すぎでも、早すぎでもある不思議なスタート。それでもどこまで書けるか楽しみ。